ヘッドカバーからのオイル漏れ修理のご依頼です。
ノーマルキャブの調子も見て欲しいとのこと、試運転してみます。現状ではノーマルキャブの実力値は十分出ているもよう。これ以上のパワーとピックアップを求めるなら、エンジンチューンやCRキャブへの換装などをお勧めします。
ガレージに戻りオイル漏れ修理の作業を始めます。
オイル漏れの現状はこんな感じ。左側のカムプラグ周辺から漏れており、走行中にズボンが汚れるほどとのこと。この程度はJ系エンジンによくあるレベルです。
タンクを外します。
エンジン上のメインハーネスなどが固縛されていないので垂れ下がっています。エンジンの熱害で損傷を受けるので、必ずエンジンからは離さないといけません。
後付けの配線のスパイラルチューブが溶けています。スパイラルチューブは耐熱性が無いので、エンジン周辺には使用できません。
オイルクーラーホースも前側を切り離してどかします。
Oリングはかなり潰れているので新品交換します。
溶けたスパイラルチューブは、ヘッドカバーにくっついて離れません。
スクレッパーで切り離します。
ここまで溶けてしまうと配線と分離できません。
もう一本、同じように溶けてくっついています。
こちらもスクレッパーで切り離します。
イグニッションコイルも外し、ヘッドカバー上に空間ができました。
ヘッドカバーボルトを外します。ここのボルトはノーマルが52ミリなのですが、50ミリを使ってさらに平ワッシャーも入れているので長さが足りません。雌ネジがアルミの場合は十分にねじ込めないと、古いエンジンの場合は雌ネジにダメージが及ぶので要注意。
ヘッドカバーを外します。
古いガスケットを剥がし、きれいに脱脂します。
カムプラグもシンナーで十分に脱脂します。
カムプラグとガスケットをセットします。いずれも純正品がベストでしょう。
4ヶ所のボルトは長い物に交換します。
ホースのOリングも新品に。
スパークプラグも交換とのことで外します。ガスケットが潰れていないので、4本とも完全に締め付けトルク不足です。熱価も7番でした。
外したプラグはターミナルナットも緩んでいました。新品プラグを付ける際も、必ずターミナルナットの締め付けは確実か確認しましょう。緩んでいるとプラグキャップ内で火花が飛ぶことになります。寒冷地でない限りプラグの熱価は標準の8番がベスト。ウオタニSP2なのでレジスタータイプを使います。
古いエンジンなので、プラグの締め付けもトルクレンチで管理してください。
イグニッションコイルを取り付け、エンジン上のハーネスはフレームに固縛します。
前後のタイヤもエアが少ないので補充します。
これで修理完了です。このまま一晩置けばなおいいでしょう。