手持ちのCRキャブが使えたら、とのことで送っていただきました。10年以上車両に付いたままガソリンを抜かずに放置したというCR29です。
通常は1年ほどでガソリンが揮発してガム質な成分が溜まり、各部に詰まりや固着を発生させます。こちらもスロットルバルブが固着しています。
どうやら固着は4番だけのようなので、キャップを開けてシンナーでガム質を溶かします。
しばらくすると固着が溶け、開閉可能となりました。
フロート室を点検します。ガム質の堆積はほとんど無いようです。
ニードルバルブは固着しており、リップ部のプランジャーも固着しています。
スロージェットも詰まっています。
スターターのエマルジョンチューブ内に残るガム質がこちら。これはガソリンにも溶解しずらく厄介です。シンナーには比較的よく溶けます。市販のキャブクリーナーの成分の大半がシンナーなのがうなずけます。
フロート室のOリングは潰れたまま硬化しているので交換します。奥のスタータージェットの穴にシンナーを入れましたが、ジェットから出てこないので詰まっているようです。
スタータージェットです。ジェット類では最小の穴なので最も詰まりやすいところです。全て交換します。
ニードルバルブの固着は、シンナーへの漬け込みで溶けて動くようになりました。ジェット類を交換して清掃すれば再生できそうです。