今回のサーキット走行でギヤ抜けが発生するようになったとのこと。
ギヤ抜けするとレースでは他車も巻き込む危険性があるので、直ぐに修理することに。
先ず、エンジンオイルを抜きます。ドレンボルトのマグネットには特に大きな異物は無いようです。
抜いたオイルを捨て、トレーの底に残ったものを確認しますが、特に異物はありません。
オイルパンを外します。
こちらも目立った異物はありません。
車体を傾けて、エンジンを下から観察します。
ミッションとシフト系が見えます。
こちらのミッションはアドバンテージ製ですが、2NDギヤのドグは特に消耗していないようです。
他のギヤのドグもきれいなままです。
シフト系を点検します。
フォークは特に問題無いようです。
シフトドラムのカムは、どうやら2ND部分の山が摩耗しているようです。
シフトドラムを外して詳細に点検します。
先ずは、ミッションカバーを外します。
アウトプット側のシフトフォークを外し、インプット側のシフトフォークピンを外してフォークをフリーにし、ドラムを抜き取ります。
シフトドラムが外れました。
比較用も用意しました。
左から、取り外したもの、Mk2の中古良品、1000J新品 です。
1000J新品のカム山がこちら。頂上の僅かな平面部分がはっきり確認できます。
続いてMk2中古良品です。カム山の平面が十分残っています。
最後に取り外したドラムです。カム山がかなり摩耗し、平面部分の形状が崩れています。
今回のギヤ抜けの原因は、このシフトドラムの摩耗が主な原因と判断します。
シフトフォークピンもかなり摩耗しています。下側が取り外した方です。
ピンも中古良品と交換します。ロックワッシャーはまだ新品がでるので交換します。
中古良品のシフトドラムに交換して組み込みます。
ポジショニングレバーのスプリングも変形が見られたので、中古良品と交換します。
ミッションを復元します。
クランクケースでサンドイッチされているアウトプットシャフトの締め付けも少し緩くなっており、
シャフトを軸方向にゆするとポジションリングのバックラッシュ分だけベアリングも少し動きます。
クランクケースもそろそろ交換時期かもしれません。
スプロケット周りを復元します。
オイルポンプを取り付けます。
オイルパンを取り付けます。
あとはオーナーさんにバトンタッチ。
来週の筑波走行で結果をチェックしましょう。