スイングアームの修理と合わせて、足回り全般の点検とカスタムを行うことになりましたので、必要な部品を送っていただきました。
前後ダイマグは塗装しますが、全体的に腐食が発生しているので、塗装を剥がして防錆の為の化成処理から行うフルコースにします。
スプロケットは530へコンバートするのでワンオフ製作しますが、かなり古いダイマグなので現状はダンパーがスプロケット内にあるタイプです。ダンパーとしてのクッション性が少ないうえに、重量車なので取り付けボルト周りの強度に不安があります。
ホイール側のネジはヘリサートが入っていますが、いくつかはヘリサートが飛び出しています。
これでは密着しないので、ヘリサートは全部入替することに。
リヤのキャリパーサポートはこんな感じです。
ベアリングをクランプして止める構造ですが、現状ではベアリングがスライドできてしまいます。構造的に破綻しているようなので作り変えます。
現状のアライメントを計測するので仮組してみます。
定盤の上で精密に計測します。
定盤面を基準に、いろいろな部分の軸方向の高さを計測します。
アウターローターはPMCのS1タイプでφ250ミリです。ハイポイントのS1キャリパーとの間隔がタイトです。
パッドが減った場合、内側のピストンとインナーローターが干渉するようです。
よく見ると実際に干渉痕がありました。
斜線の部分を一回り削って逃げを作る必要があります。
フロントはGPZ1100の純正スプロケに、内側に5ミリのスペーサーを入れてトータル10ミリオフセットとして装着していたようです。
アライメント計測の結果はこちら。現状はこんな感じです。ホイールセンターは1ミリほど左にあり、チェーンラインはホイールセンターから90ミリなので、ノーマル比2ミリオフセットです。フロントスプロケのオフセットは過大だったことが解ります。
スプロケからダンパーを抜いたところがこちら。新規製作するスプロケットはダンパーレスにすることに。
キャリパーサポートは弊社のS1タイプがご希望とのこと。取り付けピッチですがサポートはS1キャリパーの92ミリに合わせて製作してあるのに対し、お持ち込みのハイポイントS1キャリパーはAP2ポッドと同じ88.9ミリのバージョンでやや狭めです。サポート側を長穴加工して対応することに。
横から見るとこんな感じ。
こちらのサポートはφ234ミリローター用なので、ローターもホイールに合わせて新規製作します。
アウターはこちらのソリッドタイプに決定。インナーはお持ち込みのダイマグに合わせて、かつ、お持ち込みのスイングアームのトルクロッド受けの位置に合わせてオフセット量を決めて製作します。