S1スイングアーム単体での修理のご依頼です。
エキセントリックハウジングにクラックが入ったので使用を中止したとのこと。
クランプボルト付近に大きなクラックがあります。
この付近、上下それぞれクラックの入ったものは見たことありますが、いざ、修理となると非常に厄介なところです。
全体に塗装されているので、念のため塗装を剥がして他に異常が無いか点検します。
塗装を剥がすと元のアルマイトの色が見えてきました。
カラーチェックを使ってクラックを見つけます。
洗浄剤で洗浄後、赤い浸透剤を塗布してしばらく待ちます。
浸透後、表面の赤色を洗浄剤で拭きとります。
今度は現像剤を塗布します。
現像剤が乾くのを待ちます。
現像剤が白く乾いたところで、クラックの中の赤い浸透剤が染み出してクラックをあらわにします。
クラックは裏表貫通しており、もう少しでちぎれるところでした。
他にも隠れていたクラックが見えてきました。こちらの方が広く進行しており深刻です。
真円度が必要な内面にクラックがあると、溶接盛りで修復するのは困難です。こちらは内側はどこまでクラックが進行しているかさえわかりません。ハウジングを切り取っての修理になりそうです。
反対側はクラックは無いようです。やはり負担の掛かるのはチェーン側のようですね。