Z1000R1 M.N様 ハンドルストッパー再生

加工されて左右非対称になっているハンドルストッパーをノーマル形状に再生します。

 

溶接で補修した痕もみられる既存のストッパーを削除します。

 

向かって左側に、溶接の点付けの痕が確認できます。

 

切断面を滑らかに仕上げます。

 

ストッパーになる鉄片を切り出します。形はノーマルと同じです。

 

ストッパーをフレームに磁石で仮止めします。

 

溶接する前に、ベアリングレースとなるハウジングの熱歪を防止するため、

水で湿らせたウエスをヘッドパイプに仕込んでおきます。

 

ストッパーを溶接します。

熱歪が発生しないよう、1点づつ冷ましながら時間をかけて溶接します。

白いモヤはウエスから発生した蒸気です。

 

溶接が済んだら、塗装するので周辺をペーパーで整えます。

 

裏側はこんな感じ。

 

塗装は刷毛塗りです。

 

 

新しいアウターレースを圧入します。

 

ロアステムのベアリングを交換します。

 

 

新しいベアリングを圧入したら、純正では付いていないダストシールの代わりにタンクキャップのパッキンを装着します。

 

ステムを取り付けます。

 

ダストシールはこんな感じになります。

 

続いて、オイル漏れしているフロントフォークをオーバーホールします。

スナップリングは腐食して折れています。

 

フォークを分解しました。欠品部品などは無いようです。

 

インナーチューブにはキズが多数付いていますが、オイルシールの摺動部分は無事のようです。

 

上の方にはこんな深い傷もあります。

 

オイルシールを通す時に引っかからないよう、オイルストーンで均しておきます。

 

インナーチューブの曲がりを点検します。

隙間が見えるので曲がっているようです。

 

精密に曲がりを測定すると、左右とも0.4ミリほど曲がっていますが、

今回はインナーチューブを継続使用することになりました。

 

曲がりの凸側にヤスリでマーキングしておきます。

組付けるときはこのマークを前か後ろの同じ方向に左右合わせて組み付けます。

そうすれば、曲がりの影響は最小限になるでしょう。

 

部品を洗浄して組み立てに入ります。

 

今回交換する部品はこちらです。

 

フォークを組み立てたら、オイルを入れレベルを調整します。

値はマニュアル通りです。

 

エアもマニュアル通りの標準値で入れて加圧します。

 

フォークが完成しました。

 

左右のエアバルブの向きを考慮しつつ、マークは後ろ向きとします。

 

左側はこんな感じ。

 

エアバルブの向きがちぐはぐですが仕方ありません。

 

ホイールを取り付けて、フロントサス周りの完成です。