ヘッドのウエットブラストが完成したので組み立てを続けます。
バルブは再使用、バルブシートの状態も良好なので、バルブコンパウンドを付けて擦り合わせのみ行います。
洗浄して、ヘッド組み立ての準備が整いました。使用する部品はこちら。
ハイカムを組むので、リフターはインナーシムタイプに変更します。
バルブを組んだらヘッド単体でバルブクリアランスを調整します。
カムを1本ずつセットしクリアランスを計測、カムを外してシム交換、この繰り返しです。
圧縮比も計測します。先ずはピストンを上死点に合わせ、分度器をセットします。
上死点から正確に10ミリピストンを下げます。
ボリューム計測用のアクリル板をグリスで貼付け乗せます。
ビュレットで空間の容積を測り、これでピストントップの容積を割り出します。
同様に、燃焼室容積も測ります。計測結果から計算すると、今回の圧縮比は1:10.16となります。
次に、バルブとピストンのクリアランスを測るので、仮のヘッドガスケットをセットします。
カムチェーンテンショナーは、現在でもバラ部品なら入手可能なS1テンショナーを使います。構成部品はこちら。
本体と内側テーパーのスリーブは圧入して組み立てます。
バイスで挟めばOKです。
テンショナーを組み立て、スプリングを縮めてプランジャーを押し込み、組付けの準備をします。
ヘッドとカムを組み付け、テンショナーを取り付けてロックを解除します。
ここからバルブタイミングの調整です。
ダイヤルゲージをセットして、バルブタイミングを計測。カムスプロケをアジャストして目的のバルブタイミングにセットします。
セット値はメーカー推奨値の106-108です。
インテークカムも同様に調整します。
一旦ヘッドを外します。
ピストントップに粘土をセットします。
再度ヘッドを組み込み、バルブタイミングを合わせてカムを組みます。
クランクを1回転させます。これで粘土が潰れてクリアランスが計測できます。
もう一度ヘッドを外します。
粘土のつぶれ具合はこんな感じです。因みにヘッドガスケットは厚さ1.2ミリです。
解りやすいように粘土を半分にカットして断面をみてみます。
断面はこんな感じ。バルブとピストンのクリアランスは3ミリほどあるので十分です。
これでようやく組み立ての準備が整いました。