ダイマグの修理 ベアリングのオーバーサイズ化

  

ベアリング外輪が回ってしまったダイマグの修正ができてきました。修正前はこんな感じ。

 

修正後はこちら。

 

今回、周辺の肉厚が十分あったので、一回り大きなベアリングを入れる方法で修理しました。外径、奥行きともに削っています。

 

新しく使用するベアリングはこちら。防水性を考慮し、接触ゴムシールタイプに変更。内径は同じなので今までのカラーが使えます。

 

ローターネジのヘリサートが1ヶ所抜けてきているので、合わせて修理します。

 

ヘリサート抜き取り工具で逆回しにして抜き取ります。

 

うまく取れました。

 

ヘリサートタップでネジ山をさらっておきます。

 

新しいヘリサートを挿入後、ボルトが奥まで入るか確認します。

 

準備ができたのでハブを組み立てます。反対側のベアリングも、同じサイズでシール付きに変更します。

 

こちらは外輪が奥に当たるまで圧入します。

 

ダイマグのディスタンスカラーは、このような3ピース構造が一般的です。

 

ベアリングが厚くなった分、カラーが飛び出しているので長さを修正します。

 

分割して中央の円筒パイプ部分を切削します。

 

ホイール側より極僅か高くしておきます。ここが一番肝心なところです。ここのベアリングは内輪と外輪を同時に押し、内輪がディスタンスピースに当たったところで止めます。この加減を間違うと、ベアリングに過大なプリロードが掛かり、また外輪がスリップするようなことになるので取り扱いにはご注意を。

 

ベアリングを取り付けるとこんな感じ。ほぼ面一になるよう設計してあります。

 

もとのカラーが使用可能です。

 

スピードメーターギヤの駆動カラーが変形しているので修正します。これもきちんと切り欠きを合わせて組むことが大切です。

 

削ったり、ハンマーで板金して修正します。

 

ほぼ真円になりました。

 

シャフトを通して回転させ、振れが無いことをチェックします。1ヶ所リムが2ミリほどめくれていますが、実用上特に支障はないでしょう。

 

これでベアリング部分の修正は完成です。そもそも不具合の原因はアクスルシャフトのオーバートルクと思われるので、締め付けトルクはトルクレンチで管理することをお勧めします。