ダイマグフロントホイール修理のご依頼です。
右側のベアリングハウジングですが、外輪が回って内径、奥行きともに摩耗して広がっています。
既にスキマが大きく、接着剤では固定できないレベルです。
修理方法を検討します。良く行う手法はスリーブを作って焼き嵌めし、元のベアリングサイズに戻す方法ですが、今回の場合は周りの肉厚も十分あるので、ワンサイズ大きなベアリングに置き換える方法で修理することに。
左がもとのベアリングで、右が置き換え予定のベアリングです。規格品なので入手も用意で安価です。
そもそもベアリング外輪が回った原因を考察すると、このディスタンスカラーの状態が原因を物語っています。
内径から5ミリ幅くらいでベアリング内輪と接しますが、少し凹んでいるのが解ります。
アクスルシャフトの締め付け時、過大なトルクが掛かるとこのように座屈する場合があります。
反対側も少し凹んでいます。
オーバーサイズのベアリングは厚みも3ミリ大きいので、既存のカラーを削って対応させます。ダイマグのディスタンスカラーは通常このように3分割になっています。
端面の段付きを削って平らにします。
反対側も同様に。残り2ミリ余りは中央のパイプ部分を削って調整します。
ホイールはローターネジのヘリサートにも損傷があります。
こちらは一巻き分ヘリサートが浮いてしまっています。これは一旦ヘリサートを抜き取り、新しいヘリサートを入れることで修復します。
反対側のベアリングもゴリ感があるので交換します。
オーバーサイズベアリングにする部分の断面はこんな感じ。最小限の加工で済みそうです。