キャブをFCR37から比較的新しいブラックのFCR35に変更します。
キャブホルダーはクラックがあるので交換します。
ホルダーを外します。合わせ面には液体ガスケットが塗られていました。
液体ガスケットはきれいに剥がし、ポート研磨のバリもあったのでオイルストーンで平面を出します。
新しいキャブホルダーを取り付けます。合わせ面に液体ガスケットは不要です。
確実な締め付けのため、バンドは幅の狭いホースバンドに変更。
ちょっとここでもともと付いていたフューエルフィルターについて。このフィルターは適合ホースが細いのと太いののダブルになっていますが、太いホースを使っているのに細い口を切断しないまま太いホースで使われていました。
細い口は内径約φ4.2ミリ。大排気量車のガソリン流量としてはかなり不十分です。高負荷連続走行をすると燃料不足になっていたことでしょう。このフィルターは口を1段カットすれば内径の太いところが出てくる仕様です。
ツーリングレベルならこちらのフィルターのように内径φ5ミリは必要です。内径φ4ミリとφ5ミリでは、断面積は約1.4倍も違うので、フィルター選択の際はご注意を。
取り付けるFCR35はこちら。別の車両の仕様変更の際外したもので、走行も極少なめ。
取り付け前に分解してジェッティングを確認します。
メインジェットとスロージェットも。
加速ポンプはスルットル開け始めから直ぐに作動する仕様なので、キャブセッティングの初めはポンプレバーをタイラップで固定し、ポンプを不作動にしておきます。
キャブを取り付けます。
ガソリンを供給し、エンジンの始動をチェックします。
エアスクリューも仮調整しておきます。
タンクを載せてみると、コックとキャブの干渉が明らかに。コックの向きを変えるだけでは干渉を回避できません。
同じピンゲルの4000シリーズなどに変更すれば、出口の向きが変わるのでクリアできますが、今回はスピゴットのショート化で回避することに。直ぐにショートスピゴットを手配します。もともとこのキャブはZ1000Rに付いていたものでした。
点火系はウオタニSP2です。ダイヤルの設定を確認します。
左がレブリミット、右が点火時期設定のダイヤルです。
ゼロと8は、レブリミット「9200rpm」と点火時期「ノーマルスペシャル-4°」ということです。
キャブ交換後の初めてのセッティングなので、ダイヤルは「0」「0」から始めます。
排気音を少し抑えたいとのことで、バッフルを現在のミディアムからスモールに変更することに。
サイレンサーを外したいのですが、ボルトがスイングアームに当たって外せません。
エキパイを緩めてマフラーごとずらしてみます。
ボルトから外せました。これでサイレンサーが外せます。
サイレンサーも固着なく外れました。
バッフルを外します。
スモールのバッフルですが、グラスウールはかなり控えめです。
グラスウールが内部で遊ぶと耐久性が悪いので、動かないように縛った上に外側にもグラスウールを増しておきます。
バッフルは、穴位置を正確に合わせてから、当て板をしてハンマーで打ち込みます。
直接叩くと変形するのでご注意を。
エンブレムのリベットはひとつ飛んでしまったので修理します。
リベッターで止めます。
サイレンサーのバンドですが、ネジが長く突き出すのでカットします。
サイレンサーを復元します。
関東も梅雨に入り、連日雨の予報となりました。雨の合間を見つけてのキャブセッティングになりそうです。