外注していたスプロケキャリアの修理品とその周辺部品が完成しました。ベアリングの外輪が回ってしまったものの修理が発端ですが、チェーンラインやホイールセンターの修正も兼ねてこの図のような計画を立てて修理・製作していたものです。
完成品はこちら。修理したダイマグの現行タイプスプロケキャリア、追加工したキャリパーサポート、その他新規のカラー4点です。
ベアリング外輪が回って大きなガタが出ていたこちらのキャリアですが、内径を拡大、スチールで製作したスリーブを焼き嵌めし、元のベアリングサイズを復元しました。
裏側はこんな感じ。
ホイールセンターを見直した関係でアライメントが変わり、サポートの軸受はこのようなツバ付きカラーになりました。真ん中の溝にグリスを充填して組付けます。
サポートに嵌めるとこんな感じ。
裏側は大きなツバ付きカラーで支えます。
ハブのカラーは、両持ちから片持ちへ変更。この方が整備性が良好です。
カラーを嵌めます。
スプロケキャリアを乗せ、クリアランスを測ります。少し長めに作ってあるので、現物合わせでこのクリアランスが0.2ミリ位になるよう、先ほどのカラーを削って調整します。
調整後はこちら。クリアランスはダイマグ純正より狭く設定したので、これでキャリアの傾きまつわるトラブルは発生しにくくなります。
右側のカラーも挿入します。全てカラーのはめ合いは隙間嵌めに変更しています。ベアリング内径とのクリアランスは0.03ミリ程度です。
リヤホイール周りとスイングアームを仮組して確認します。
リヤキャリパーを取り付け、キャリパーとローターのセンターを確認します。
こちらも計画通りできました。
GPZ900Rのノーマルスイングアームに180タイヤの組み合わせなので、リヤスプロケット周りは非常にタイトなレイアウトとなっていますが、絶妙に成立しています。
エキセントリックが中央のこの状態で、スプロケの刃先や取付ボルトはスイングアームとギリギリです。
これでクリアランスは1ミリほど。
これ以上エキセントリックを前に回すことはNGです。チェーンの長さはこれより後ろで合わせてください。
加工の仕上がりの確認とカラーの微調整が済んだので、今回新作したこちらのカラーはアルマイトを施工します。完成までもうしばらくお待ちください。(^^)