デモ車Z1100B2 車体の分解点検

  

入荷したてのZ1100-B2です。これから整備してコンプリートで販売する予定です。

 

車検は先日取得し、比較的整っているので長めのチェック走行をして調子もみてきました。

 

現状はこのままでも十分乗れそうですが、気になる点もいくつかあり、念のため全分解して点検・修正してから仕立てる予定です。

 

カラーリング以外はほぼノーマルです。B2特有のセパレートハンドルに液晶インジケーター付きの角メーターです。インジェクションも調子良く動作していました。

 

リペイントの外装は、ラインの青がやや薄め。

 

タンクの文字はエンブレムではなくパテ埋めしてステッカーがクリアの下に貼り込まれています。

 

テールとサイドカバーは純正ベースですが、フロントカウルは社外品で、下の取付穴が長穴加工されています。

  

フロントローターは摩耗の少ない物に交換されていますが、外径は純正より10ミリ小さいφ270ミリのJ用です。

 

リヤローターも小径の物が付いているのでパッドが外側にはみ出しています。

 

前後サスペンションからはガタが感じられるので、何か不具合があるようです。先ずはリヤ周りから。

 

スイングアームピボットは、スラスト方向にガタがあります。

 

上下方向にもガタがあり、ショックのマウント辺りにも問題がありそうです。

 

あとでも記述しますが、シートレールは大きく修正されており、シートロックの奥はフレームのボスがカットされてカラーに置き換えられています。

 

リヤショックは1000R純正です。ゴールド部分はリペイントで一見きれいですが、左右ともオイル漏れしているようです。

 

スイングアームを外します。

 

ピボットのスラスト方向のガタは隙間があるせいでした。ベアリングやスリーブはメンテされているようできれいです。

 

フレームのステップブラケットの内側は、左右とも斜めに削られています。おそらく過去に幅広のスイングアームが付けられていたのでしょう。フレームもリペイントでした。

 

インジェクションのハーネスを外します。今は機能していますが、コネクタなどはだいぶ劣化しています。

 

メインハーネスのレギュレーターカプラーは、内部の端子がかなり腐食しています。このまま使い続けると発熱して焼損します。

 

メインハーネスも傷みが多いので外します。

 

インジェクションはもう再使用しないことに。キャブ化決定です。

 

こちらのセンサーもインジェクション関係の部品でエンジン温センサーです。

 

このセンサーも外して、インジェクション関係の部品を全て取り除きます。

 

シートレールの修正箇所はシートロックのすぐ後ろ、パイプ径が細くなる部分です。左右とも曲がりと溶接盛りの跡があります。

 

シートレールはやや上向きになっており、シートキャッチのブラケットも傷んでいます。傷んだシートレールはカットして、S1仕様に変更するのもいいかもしれません。

 

ということで、S1仕様に改造したZRX400改のスイングアームを仮組します。

 

フレームピボット幅は問題なくピッタリです。

 

ステップブラケットの削り箇所は、このスイングアームとの干渉対策としても好都合。

  

車両の方向性は、やはりS1仕様がいいようです。