Z1000R2 X様 インナーチューブ交換

  

事故車修理の続きです。曲がったインナーチューブをストックの部品と組み替えます。

 

外したインナーチューブがこちら。曲がりの酷い方は端の方で10ミリ位曲がっています。

 

もう一方も3ミリほど曲がっていました。

 

交換用にはストックのZ1000J1純正フォークから部品取りしたインナーチューブを使います。

 

J1とR2はキャップが異なります。右がJ1で左がR2です。ネジの深さなども違うので互換性はありませんが、キャップとセットならR2のアウターにJ1のインナーチューブの組み合わせは可能です。

 

フォークアウターのフェンダーボルトも折れて残っています。

 

折れ残ったボルトの真ん中に穴を開け、こちらのエキストラクターを使って抜き取ります。

 

エキストラクターは螺旋が逆ネジのように切ってあるので、折れたボルトに開けた穴に差し込み左に回すと食い込んでいき、そのままボルトを回して取ることができます。

  

準備ができたので、J1のインナーチューブで組み立てます。

 

新しいオイルシールをセットします。

 

シールドライバーで打ち込みます。

 

フォークが組み上がったら、規定量よりやや多めのオイルを入れます。

 

オイルを内部にいきわたらせエアを抜くため、フォークアウターを数回上下してからしばらく放置します。

 

大きな気泡が無くなったらオイルレベルを調整します。

 

オイルレベルの数値は1000Jの110ミリでいいでしょう。

 

スプリングを挿入します。

 

フォークキャップを取り付け、最後にエアを規定の中央値0.5kg/cm2に加圧し完成です。

 

次に、 転倒の衝撃で曲がったハンドルストッパーを修理します。

 

重いハンマーを当て金にし曲がりを修正します。

 

もともとストッパーの一部が切り欠いてあったので、底を鉄板で復元します。

 

切り欠き部分を溶接します。

 

研磨して仕上げます。

 

タンクとインナーチューブを仮付けしてハンドル切れ角を確認します。

 

塗装して完成です。

 

次はクラックの入ったオイルクーラーステーの修理です。

 

クラックはこちら。

 

変形を修正し、溶接します。

 

修正後、塗装します。

 

曲がった純正ヘッドライトステーも希少品なので修理します。

 

比較的柔らかいので、大方は人力で復元できます。

 

硬い部分の変形はプレスで修正します。

 

塗装して完成です。

 

ライトステーとフォークを取り付けます。

 

曲がった純正フロントカウルステーも希少品なので修正します。

 

修正後塗装して完成です。

 

フロントカウルのアッパーステーも希少品なので修正します。

 

修正後はこちら。

 

カウルステーを取り付けます。

 

幸い、メーターはスペアをお持ちだったので丸ごと取り替えます。

 

曲がったフロントフェンダーは、ウチのストックに交換します。純正新品で少しだけ使用感のあるものです。塗装も純正のまま。

 

フロントホイールも取り付け、だいぶ復元が進みました。