ダイマグリヤホイール修理のご依頼です。遠方からの為、ホイール周り一式を送っていただきました。
車両の様子はこちら。ノーマルスイングアームに180タイヤの組み合わせです。
キャリアのベアリングは外周が緩んで手で外せるほど。
内径と奥行き方向も摩耗しているようです。
アライメント計測の前に振れ量を把握しておきます。リムの横振れは約1ミリありました。
定盤に載せてアライメントを計測します。
基準となるリムの外幅を計測します。ホイールにサイズの記載はありませんが、157.4ミリなので5.5Jといったところ。
定盤とリムの間隔も計測。
スプロケの高さも計測。
キャリパーサポートまで組んで、各部の位置関係を割り出します。
スプロケキャリアを詳細に見てみましょう。
ベアリングは破損していないので、ロックして削れたわけではないようです。奥行きもかなり摩耗しています。
ベアリングをはめると1ミリほど陥没します。
裏面やダンパーなどは特に問題ありません。
ホイール側はスムーズに回りますが、念のため分解点検します。
トルクボルトを外して裏側からハンマーの柄で押し出します。
ハブが分解できました。
ディスタンスカラーの端面などに座屈は無く、特に異常は無いようです。
内部は腐食がやや進んでいます。
カラーの長さなどを詳細にチェックします。
こちらはキャリアのベアリングの左右に来るカラーです。間隔が15.1ミリ位あり、ベアリングより広い状態です。これではベアリングのインナーレースは固定されないので、初めからぐらつきがあったでしょう。不具合の原因はこれのようです。
キャリアの損傷はそれほどでもないので、スリーブを製作して焼き嵌めする方法で修理することに。追加工するのでダンパーも外します。
スイングアームとのクリアランスを稼ぐためにスプロケの固定はスタッド+ナットからボルトに変更されています。強度が気になったのでポンチを打ってキャップボルトと比較します。凹みは同等なので問題無く強度はありそうです。
先ほど計測した数値からリアアクスル周りの図面をおこし、スリーブやカラーの寸法を検討し、新たに設計します。