スペアエンジン製作は、最後のパート、ヘッドの製作に取り掛かります。使用するのは在庫ヘッド中の最も程度のいいこちらのヘッドです。

ほぼ完品と思っていましたが、1ヶ所フィン欠けが見つかりました。1番プラグの直ぐ近くです。

あまり目立たない所ではありますが残念です。

付いていたバルブはフェース面の摩耗が激しいので全数交換します。

先ずは大まかにカーボンやガスケットなどの汚れを落とします。

汚れを落としたらクラックや深いキズなどが無いか確認します。

特に大きなダメージは無いので再生に進みます。バルブシートはカーボン噛み込みなどでだいぶ凸凹になっているので修正します。バルブステムの突き出し高さを計測した結果、過去にシートカットはされていないもよう。

バルブシートのダメージは極わずかなので、手持ちのシートカッターで修正することに。

初めに角度45°のカッターでシートのキズを削り取ります。

力加減は強くもなく弱くもなく、一定のスピードでゆっくりと削ります。

凸凹が無くなるまで45°面の削りが終わったところです。シートの当たり幅が広くなるので、規定の1ミリ前後にこのあと修正します。

カッターを30°に付け替え、より内側部分を削ってシート幅を狭くしていきます。

仕上げにダイヤモンドカッターで均します。

シートカットの修正が終わるとこんな感じです。これを全てのバルブシートに行います。

インテーク側は大きなカッターで。

シートカットが済んだので、バルブステムの突き出し高さを確認します。バルブは新品のZ1000J純正を使います。

高さは全てのバルブで37.5ミリ前後です。これならシム調整だけで大丈夫でしょう。

念のためバルブコンパウンドで擦り合わせもします。

擦り合わせ後はこんな感じ。

バルブ周りはこれで準備OKです。

続いてカムホルダーネジのヘリサート加工を行います。ネジが傷んでいたのは1ヶ所だけでしたが、耐久性を考えて16ヵ所全てをヘリサート加工します。先ずは下穴を開けます。

続いてヘリサートタップでネジ切りします。

他にもカムプラグのところもネジが傷んでいるので4ヶ所ともヘリサート加工します。
