在庫ヘッド調査の続きです。こちらのヘッドは単体で入手したもので、履歴は不明です。

スタッドボルトは1本がM10になっています。ボスは上下とも欠けているので、一旦削り取って溶接で盛って再生するしかありません。

カムホルダーネジもM6より一回り太いインチのネジが6本使われています。奥の雌ネジはヘリサートが2重になっていて、今後の使用には耐えないようです。

その他は加工も無くフィン欠けもありません。

結局は、カムホルダーネジの修復が重なっていてこれ以上の修復は不可能と判断し、このヘッドは廃却することに。

次はタコギヤがあるLTD系のヘッドです。

バルブを外して細部を点検、計測します。

ヘッドの厚さを計測し、面研量を推測します。面研はされていないもよう。

バルブガイドのガタも極少。レストアベースになる上物のヘッドと解りました。

続いてはまたカムホルダー無しのヘッドです。

リフターはサビついて固着しているものもあります。

固着しているものは、叩いて動かしてから抜き取ります。

1ヶ所はどうにも固着が酷くて取れません。

リフターに大きなナットを溶接します。

そのナットを使ってスライディングハンマーで抜き取ります。

ようやく抜くことができました。全面サビています。

ヘッド側のリフターホール内径は、ペーパーでサビを落としてやれば何とか使えそうです。

きれいなバルブをセットし、ステム高さを計測します。シートカットはされていないもよう。

全般的に程度はいいのですが、肝心のカムホルダーが4個ともありません。ストックのカムホルダーの中から合いそうなものを探します。

規定トルクを掛けるとカムは固着するので、所々少し緩めてカムを回し、当たりきついところを探します。

カムを外してメタルの当たりの強いところを見つけます。

当たりの強いところをペーパーで少しづつ削っては組んでの繰り返しで、カムが軽く回るようになるまでメタルを調整します。1ヶ所の調整にもかなりの時間を費やすので、この調整にはもっとたくさんのカムホルダーがあった方がいいですね。
