Z1000R2 K.S様 クランクケースの溶接修正

  

セラコートが終わったクランクケースですが、外注で修理ができなかった箇所を直します。

 

J系エンジンにはよくありますが、ノーマルのカラーによってケースのマウント部が偏摩耗する現象です。カラーの端面が平面でないので、エンジンマウントインシュレーターの劣化などにより、エンジンが動いて摩耗を早めます。

 

溶接で盛るので塗装を剥がします。

 

痩せている部分を溶接で盛っていきます。

 

削って元の形状に復元します。

 

今後は偏摩耗しにくいよう、エンジンマウントのカラーはアルミで製作した平面の多い物に交換して組む予定です。

 

修正が済んだら組み立て準備です。ネジ穴はブラストのメディアが残っているといけないので、全てタップを立てて確認します。

 

ロアーケースも同様に全てのネジ穴を確認します。

 

ケースを洗浄後、点検済みのクランクをセットします。

 

ミッションは分解点検してベアリング類を交換します。

 

クラッチプレートはかなりサビが出ていました。サビは深いのでプレート類は全て新品交換することに。

 

クラッチハウジングの内側にもサビが堆積しています。

 

洗浄後、点検します。

 

摩耗はありますがまだ少なめなので継続使用します。

 

ハブ側も同様です。

 

新しいクラッチプレートを準備し、オイルを塗って組み込みます。

 

ギヤのドグなどは摩耗も少なく非常にきれいな方ですね。走行距離が少なく、丁寧に乗られていたのでしょう。

 

インプットシャフト側完成です。

 

アウトプットシャフト側も分解点検してベアリングを交換します。

 

こちらも状態はいいですね。

 

アッパーケースに3軸をセットします。