バルブとピストンのクリアランスを確認するため、エンジンを仮組します。
バルブタイミングを合わせて、カムを組み込みます。
クランクを2回転し、カムを1回転させます。
再度ヘッドを外します。
仕込んでおいた粘土についたバルブのスタンプから、ピストンとバルブのクリアランスを確認します。
粘土をカットし断面をみます。3ミリ以上は厚みがあるので、バルブとピストンのクリアランスは十分です。
シリンダーを外し、エンジン組み立ての本番です。
ピストンをセットします。
シリンダーを挿入します。
ヘッドガスケットなどをセットします。
ヘッドの方は、カムホルダーネジの3ヶ所のトルクが掛からないので修理します。過去に何度もヘリサート加工などしていますが、長年の使用に伴い傷んできます。
先ずこの場所は深さに余裕があるので、穴を掘り下げて奥深くにヘリサートをセットしなおします。
油穴に貫通しない所まで掘り下げ、奥深くにヘリサートをセットします。
こちらは既に一番奥まで掘り下げた位置にあったヘリサートが抜けたため、最後の手段としてネジサイズをアップし、M8ネジにします。
ノックピンの無いところは、比較的容易にM8ネジ化可能です。
ボルトはそのままではヘッドカバーに当たるので、頭を削って低くします。
こちらは一番奥にM6のヘリサートをセットします。
M8ボルトに変更する部分は、カムホルダーの穴も拡大します。
加工が終わったらカムホルダーを仮組してトルクが掛かることを確認します。
ヘッドはオーバーホール後間もないのでそのまま継続使用します。
ヘッドを組み込みます。
カムを取り付けます。
バルブタイミングを確認するため、4番上死点を正確に割り出します。
バルブタイミングを確認します。ガスケット厚みもほぼ変わらないので、値は前回のセット時と同じ、このままでOKです。
補器類を取り付けます。
最後にエンジンオイルを交換します。
マフラーを取り付け、始動確認して一応完成です。このあと走行チェックし、問題無ければオーナーさんにエンジンの慣らし運転を300キロ程していただき、その後キャブセッティングします。