前回、フォークオーバーホールをした際に、インナーチューブの極少曲がりとアウター内部の削れが見つかっていました。今回準備が整い、フロントフォークはカヤバの新品に交換します。
フォークを外します。
ステムベアリングも5万キロほどノーメンテらしいので交換します。
ステムを外すとテーパーベアリングが入っていました。ベアリングのグリスはだいぶ減っており消耗も進んでいるようで、ちょうどいい交換時期でした。
アッパーベアリングも同様です。
アウターレースに引っかかりが無いので、ボルトを溶接してそれをたたいてレースを抜きます。
上下アウターレースが抜けました。
ロアーベアリングのハウジングは、最初にべエアリングレースを外す際に付けたと思われる大きな削れがありますが、奥の方は平らなので問題無いでしょう。
きれいに均しておきます。
交換用にもテーパーベアリングを使います。
新しいアウターレースを圧入しますが、治具を使って一番奥まで入れることが重要です。
アッパー側もフレームの面で圧入を止めてはいけません。
テーパーローラーベアリングのレースは、高さが低い場合が多く、このように面より下がるので、必ず一番奥まで圧入します。これを怠ると、後でレースが下がり、ベアリングにガタが出ます。
ステム側のベアリングも交換します。
ダストシールは純正が適合しないので、ちょうどいい大きさであるタンクキャップのパッキンで代用します。
ベアリングを交換したステムを復元します。
フォークは暮れの年末セールでお得に入手しておいたPMCカヤバです。
フォークを取り付けます。
既存のアクスルナットが傷んでいるので、シャフトごと新品交換します。
外したシャフトをみると、片側のベアリング部分のシャフト径が0.3ミリほど削れて細くなっていました。過去にベアリングでも焼き付いたのでしょうか。こちらもちょうどいい交換時期でした。
新しいシャフトをセットします。
キャリパーサポートは、腐食で汚れていたのでクリーニングしておきます。
フロント周りのサスペンションが完成しました。
タコメーター取出しのところからオイル漏れしているので修理します。
部品に異常は無いので、シール類を新品交換します。
復元します。
スロットルが途中で重くなるので、キャブを外して点検します。
キャブに破損などは無く、汚れでスロットルバルブが引っかかっていたようです。洗浄して回復しました。
バキュームホースと燃料ホースのタンク側も新品交換しておきます。
フォークは少し長いので、ノーマル車高になるよう少し突き出します。
続いてリヤ周り。スイングアームピボットもノーメンテでいたので分解点検します。
ホイールとリヤショックを外してスイングアームを動かすと、少しガタがありました。ピボットシャフトを抜くときは、サビで固着しているようでなかなか抜けません。
シャフトを抜くとこんな感じでかなり腐食していました。
スイングアームを外します。
ピボットベアリングの左側は、グリスが抜け摩耗していました。
ベアリングは新品交換することにします。
スイングアームのハウジングはキレイです。
ベアリングはこちらを使用します。
新しいベアリングを圧入します。
スイングアームのオーバーホール完了です。
腐食の酷いピボットシャフトは新品交換します。
スイングアームを復元します。
最後に割れていたインナーフェンダーを交換します。
使用するのはPMC製のこちらです。
これで今回の作業は完了です。