ヨーロッパ仕様のロングフェンダーが付いていましたが、短くしたいとのことで純正ショートの形状に加工します。
型に合わせてカットラインをマーキングします。
純正のショートは10センチほど短くなります。
カットラインはこんな感じ。
周囲を養生してからジグソーでカットします。
切断面は当て板をしたペーパーを使って滑らかに整えます。
ペーパーの番手を徐々に大きくし、最後は紙を擦りつけて磨きます。
ショート化の完成です。
リヤフェンダーを取り付けます。
続いて、腐食の酷いヒューズBOXを交換します。
交換用に使うのは、ヒューテック製のミニブレードタイプのヒューズBOXです。これなら出先でもヒューズの入手に困りません。
カプラーパネルを分解し、ヒューズBOXを組み込みます。外したカプラーの端子には、全て接点復活スプレーを塗布しておきます。
ヒューズBOX交換終了です。
ウインカーは小型のBMWタイプに変更します。
続いてリヤショックのブッシュを交換します。内径の合っていない青いナイロンのブッシュを外します。
ワークスパフォーマンスにも使われているナイロンブッシュは耐久性がよくないので、ブッシュはゴム製に変更します。素材はカワサキ純正のこちらを使います。部品番号は92075-1141と92075-1586です。
外径が大きいので削って調整します。
リヤショックの内径よりわずかに大きく仕上げます。
ブッシュを圧入して完成です。
リヤショックのアッパーマウントは、フレーム側のピンが長いので奥に内径をピッタリにしたワッシャーを入れます。
ブッシュのカラーが僅かに出るようにセットします。
これで操安性がかなり改善されるでしょう。
続いてオイル交換します。マフラーはかなり底打ちがあり、サビも酷いのでそろそろ交換をお勧めします。
エンジンオイルを抜きます。
フィルターボルトにあるはずのワッシャーは無く、ドレンボルトのワッシャーは2枚重ねです。
消耗品は全て新品交換します。
フィルター下のワッシャーは無くさないように。ワッシャーが無いとスプリングがフィルターのゴムパッキンをいためます。
フィルターとドレンを取り付けます。ドレンボルトの脇のフィンは欠けています。
ピンの欠品していたテンショナーを付け直します。
分解洗浄し、ピンを用意します。
正しい向きに取り付けます。
続いてオイル取出しを取り付けます。洗浄後、Oリングなどを準備します。
エンジン側にOリングをセットします。小さいOリングは、クランクケースによっては使わない場合もありますが、付くタイプはボルト穴がオイル通路と貫通しておりオイルが上がってくるのでシールが必要です。
取り付け面はオイルストーンで修正しておきます。
奥のボルトはシール代わりのガスケットを併用します。
オイル取出しとクーラーホースを取り付けます。
ブリーザーホースはコンパクトな90°曲がりタイプに変更。
キャブのアダプターに適合するよう、キャブホルダーを変更します。
エキゾーストポート覗くと、ポート内はかなりカーボンが堆積しているのが解ります。ポート内径が狭くなるほど。
これだけカーボンが溜まるのは、キャブセッティングが濃いのではないでしょうか。
マフラーを取り付けます。リヤブレーキホースは取り回しをノーマルレイアウトに変更。
エンジンスライダーは撤去しましたが、インシュレーターの交換は次回となりました。
続いて、ジェネレーター周りのオイル漏れ修理です。グロメット付近がだいぶ傷んでいるようなので、交換すれば治りそうです。
分解して洗浄します。グロメットは新品交換します。
ジェネレーターローターの取り付けボルトはネジロックを併用します。
締め付けは規定トルクでしっかりと。
カバーを取り付けます。
続いて、エンジン不調の一因とも考えられるキャブを分解点検します。外観はかなり腐食が進んでいます。
ポートを覗くと、Mノズルが組み込まれているのが解りました。
パイロット加工はありません。
フロートチャンバーを外し内部を点検します。メインジェットは大きすぎるので標準的な番手に変更します。
トップキャップも外して内部を点検します。ニードルはかなり細いので、こちらも標準的なサイズに変更します。やはりキャブセッティングはかなり濃いめにセットされていたことになりますね。
点火プラグもカーボンの堆積が多いので新品交換します。
ジョイントで繋がれたプラグコードですが、ターミナルのカシメがされていないなど問題がありました。
コードの長さに余裕があったので、ジョイントを廃止して直接コイルに繋ぐことにします。
新しいターミナルをコードにカシメます。
プラグコードの作り変えが完了しました。
ターミナルはコイルの面より奥まで入るので、マイナスドライバーなどで押し込んで奥まで確実に差し込みます。
プラグコードの改修完了です。
CRキャブのチョークレバーが折れているので交換します。
エンジンオイルを入れ、エンジン始動テストします。始動すると4気筒火が入り、比較的安定してアイドリングします。たまにバラツクのは燃焼室内のカーボン堆積の影響でしょうか。キャブセッティングを適正にし、少し高速走行してカーボンを飛ばせば調子が戻りそうですね。