S1キャリパーを付けたら、レバーの遊びが大きくなった問題の検証の続きです。
サポートの問題を切り分けるため、キャリパーを単独でローターにセットしてみましたが、動き方は同じです。
このS1レプリカキャリパー全般に言えることですが、比較的ピストンのスプリングバックが大きいという特徴があります。レバーを握って離すと、パッドがローターから0.1ミリ以上離れるのです。
動画で見るとこんな感じです。普通はここまで大きくは戻りません。レバーを離してしばらくすると、更に0.1ミリほどピストンは後退します。
握り1発目はこの位レバーが入ります。
2回目以降はこの位。ほぼ正常です。
ブレーキセットを車体から外し、更に検証します。
シールを外して点検します。
在庫のS1キャリパーと比べてみましょう。
在庫の残りはあとわずかです。欲しい方はお早めに。
新品のシールも余分はありません。
新品のシールと付いていたものを比べると、付いていたものの方がやや太くなっている感じです。表面の凸凹具合などから、製品は同一メーカーと思われます。
代替品として使用できるシールがあり、こちらのミヤコ製のシールキットです。寸法はほぼ同じ。
ミヤコ製を付けてみます。
エア抜きしてみましたが、スプリングバック量はほぼ同じ。シール単体の問題ではないようです。シール溝の底面は勾配が付いており、その勾配でピストンのバック量を作り込む設計なのですが、設計段階でこのS1キャリパーの勾配が少しきついのかもしれません。ここまでの現象は、S1キャリパーの個体差もありますが、いままでも経験してきた内容です。私の1000JレーサーのS1キャリパーも同じような傾向でしたが、使っていくうちにレーバーの遊びは減少していきました。
変化が無いので、もとのシールに戻します。
とりあえず、暫定でレバーアジャスト付きのマスターに変更します。
心持、初期の遊びも減ったようです。
車体に取り付けます。
1発目の握りはこの位。フロントロックするほど握ってこれなので、走行は問題無いでしょう。
握り2回目以降はこのくらいで普通の遊びです。
再度試運転に向かいます。
十分走行できるレベルなので、このまましばらく走って当たりをつけていただくことに。ノーマルマスターは念のためピストンシールを交換し準備しておきます。
S1キャリパーとS1サポートの取り付けはこれで一応完成です。
マフラーは外し、新たに製作したサイレンサーとともにセラコートに出します。