当時風を追及するためマグホイールを交換します。現在のマービック製モーリスから、ハイポイント製モーリスへの変更です。
ハイポイント製モーリスは過去に日本の企業が企画製作した物で、当時のレーシングホイールではありませんが、カワサキワークス車にも使われていた70年代から続くアメリカのモーリス社のホイールデザインに比較的近いので雰囲気も良く、今も人気のあるホイールです。ホイールリム中央の盛り上がりが高く、このリブも本物同様によく再現されているのが特徴です。
ハイポイントモーリスも古い物なので、程度の悪い物も多く流通しており、中古ホイールを使う場合は良く点検する必要があります。今回のホイールはグッドコンデションでした。
タイヤは中古のα14を前後に装着しています。
先ずはフロントから。ホイールを外します。
移植するのでマービックモーリスからアクスルやローターを外します。
ハイポイントモーリスです。
リペイントもされているようで、厚い塗膜のまま使用された痕跡があります。
ローター取付面にも塗膜が付き凸凹しているので、古い塗膜を剥がして面を修正します。
オイルストーンで仕上げます。
修正完了です。これでローターの振れも最小限になるでしょう。
ローターを取り付けます。
スピードメーターギヤの回転子は、ツバの部分が変形しているのでうまく取り付けられません。
曲がったツバをプレスで修正して本来の平面に戻します。
アクスルとギヤBOXを組み付けます。
フロントホイール交換終了です。
キャリパーとスポークのクリアランスも1ミリ以上はあるので大丈夫です。
続いてリヤホイールを外します。
移植するのでスプロケとローターを外します。
ハイポイントモーリスです。
こちらもローター取付面を修正します。
ローターを取り付けます。
元のマービックホイールは4.5インチ幅で、チェーンラインがオフセットされていました。今度のハイポイントモーリスは4インチ幅でチェーンラインはノーマルです。
チェーンラインの調整には市販のオフセットスペーサーで対応します。
ホイールアライメントを計測し、各カラーの長さを割り出し、カラーを製作します。
リヤスプロケのボルトは付属品が使えないので、長いキャップボルトを加工して使います。
スイングアーム内幅がノーマル幅で狭いので、ボルトの突き出しは最小にしています。
キャップボルトの頭も、ダンパー内径に合わせて少し削っています。
リヤホイールを取り付けます。
チェーンラインはこんな感じです。チェーン引きとのクリアランスは1ミリほど。
ホイール交換が完了しました。現代の部品とわかるものをほぼ使っていないので、当時のレーサーライクな改造車の雰囲気を実現しています。もちろん機能は更新済みで絶好調を維持している車両です。