ホイールはハイポイントのモーリスですが、フロントはキャリパーとの干渉キズなどあるので、前後合わせて塗装することになりました。フロントホイールは転がし用のLTDホイールを付けておきます。ホイールからは外せるものを全部外します。
ネジロック剤がかなり付いていたので、ネジ山はタップで掃除しておきます。
スポークにはキャリパーとの干渉キズが7本全てにあります。
キズは塗装の前に削って均しておきます。
続いてリヤホイールを外します。
ハブダンパーは特に問題無いようです。
塗装するのでタイヤを外します。
ハブも全て分解します。
スプロケキャリアも塗装するので、リヤスプロケを外します。使われていたナットは薄型でしたが、これは許容トルクがかなり小さいので、リヤスプロケなどの高トルク部分には使用できません。標準高さのナット以上の強度の物が必須です。左が標準高さのセルフロックナットです。
今回のマグホイールの塗装は、キズの修正箇所や腐食箇所もあるので、旧塗膜を全て剥がしたうえで防錆の為の化成処理をし、その後ウレタン塗装するフルコースの予定です。
外したリヤスプロケには、重大な損傷がありました。表面は一見キレイです。
ですが、裏面を見るとかなり深い腐食が数ヶ所あります。
ひどいところは引っ掻くとボロボロ崩れてくるほどで、1ミリ以上減肉しています。これほど深いサビは通常使用では考えられないので、薬品などに侵されたのでしょうか。バッテリー液などの付着が原因かもしれません。今回、チェーンと前後スプロケは交換予定でしたので難を逃れました。
リヤのキャリパーサポートも破損しています。
過去に形状の合わないカラーを使ったようで、側面のフランジ部分が内側に変形しています。
付属のカラーは段付きがあるので潰れませんが、間違ったカラーを使ったのでしょうか。
ベアリングを外します。使われているベアリングは非接触シールタイプのベアリングです。これは簡単な防塵機能しかなく、防水性は無いのでバイクのアクスルには不向きです。
本来平面のシールドは、押されて内側に変形しています。
サポートの変形部分を修正してみましたが、あまりに薄いので脱落してしまいました。
機能的には問題無いので、面取りしてだけしておきます。
サポートは直径の有るカラーでサンドイッチされるので、スラスト方向の押さえは大丈夫です。
サポート類とホイールカラーはブラックに色替えするのですが、アルマイトされているのでこちらはセラコートで塗装することにします。
続いてスプロケカバーを外し、フロントスプロケットを外します。
オイル状の堆積が多いですが、オイルシールからのオイル漏れは無いので、全てチェーングリスに起因する汚れと思われます。何かワッシャーも落ちています。
点検のため汚れを洗浄します。
シャフトのスプライン等、特に問題無いようです。
スイングアームも加工してから塗装するので外します。
オーリンズリヤショックはグラブバーと干渉して潰れています。リヤショックはスイングアームの上下動で後ろにスイングするので、オーリンズなどここのクリアランスが少ないリヤショックを付けるときは要注意な場所です。この場合はグラブバー側に逃げ加工することで干渉は回避できます。
スイングアームを外します。フレームが狭いのでかなりきつめでした。
ピボット部のフレーム内側にはスラスト受けのようなスペーサーが両側に入っていました。
Mk純正やこのPMCのスイングアームの場合、ゴムシール付きのスラストワッシャーで側圧を受け止める構造なので、このようなスペーサーは不要です。
フレームのピボット内幅は僅かに狭くなっていたので、スイングアームの脱着がかなり困難です。そこで、ジャッキを使って内幅を0.5ほど広げ、ノーマル並みにしておきます。
リヤにも転がし用のスイングアームとホイールを取り付けておきます。