ザッパーステムへの交換やリヤショックレイダウンなどのご依頼です。
入庫時の点検でジャッキアップしたところ、フロントホイールベアリングにガタが見つかりました。
走行もままならないので、分解して点検します。
アクスルシャフトは規定トルクで締まっていました。スピードメーターの駆動部品には、締め付けの際に切り欠きが合わないまま締め付けて潰れた痕があります。
ベアリングのガタは右側のみのようです。シャフトを揺すると内輪がグラグラするのが解ります。
ベアリング単独で回してみると、ガタがあるうえにゴロゴロします。
ベアリングを外して点検します。
使われているのはNSK製の6203VVです。ゴムシール付きですが非接触タイプなので防水性がないタイプです。
ベアリングの回転はかなりゴロゴロする感じなので、洗浄してグリスを落とし点検します。
外から見てもサビが目立ちますが、内部のボールと転動面はかなり傷んでいます。サビにより摩耗が進んだようです。伺ってみると水を使ってよく洗車するとのこと。傷んだのは右側のベアリングだけということもあり、その水が原因と思われます。ホイールベアリングには防水性のある接触ゴムタシールタイプの使用をお勧めします。
ベアリングの損傷がひどいと外輪ごと回されることもありますが、幸いにもホイール側の損傷はまだありませんでした。前後のホイールベアリングは、接触ゴムシールタイプに交換します。NSKだとDDUというタイプになります。
因みにノーマルはシール無しのベアリングが使われており、別途外側のオイルシールで水やホコリを遮る設計になっていますが、防水機能は弱いのでノーマルホイールでも接触ゴムシールタイプを使用することをお勧めします。 それと、旧車は水を使った洗車はなるべく避けた方がいいと思います。