ピストン周りを点検するため、エンジン腰上を分解します。
ヘッドカバーを外し、バルブクリアランスとバルタイを確認します。
カムを外し、破損個所が無いか点検しながら分解します。
ヘッドを外します。内視鏡で確認した時のピストンヘッドの様子と実際は違っていました。
内視鏡ではピストンの一部が光って見えましたが、実際は全面に薄いカーボンが付いた状態で、特に異常は見られません。
走行中に感じていた軽いノッキングの影響も特に見られません。
内視鏡で見たのは、光が反射して光っていただけでした。
ヘッドは、カムホルダーの雌ネジが1ヶ所傷んでいます。
燃焼室にもノッキングの痕は特に見られません。
シリンダーを外します。ピストン側面もきれいな状態です。
ピストンリングの摩耗も特に進んでいません。
シリンダー内壁もきれいです。結局、高回転でのエンジン打音の原因はわかりませんが、特に破損個所は無いことは確認できました。
復元にあたり、色の剥がれているシリンダーとヘッドカバーを簡単に塗装します。
塗装完了です。
高温、高回転でのノッキング対策として、圧縮比を少し下げることに。純正のシリンダーベースガスケットを2枚重ねて使用します。
シリンダーを挿入します。
ヘッドはネジ穴を修理します。
ヘリサートを入れていましたが、そのヘリサートごと抜けてきてしまっています。
奥行きに余裕があるところなので、下穴を掘り下げて対応します。
ノーマルよりも10ミリほど深いところにヘリサートを設置すべく、ヘリサートタップでネジ切りします。
ヘリサートは、初めに押し込むために2段重ねにします。セットするのは先端のヘリサート1個だけです。
使用するボルトは純正よりも10ミリほど長い物を使います。
奥までスムーズに入るか確認します。
修正と点検が済んだので、洗浄して組み込みの準備をします。
洗浄後はこちら。
ヘッドガスケットは前回と同じく、GPZ1100純正のメタルガスケットを使用します。
ガスケットとOリングをシリンダー側にセットします。
ヘッドを組み付けます。
カムを取り付けます。
シリンダーベースガスケットを2枚重ねにした分バルブタイミングがズレるので、バルブタイミングを再調整します。初めに1番上死点を割り出します。
エキゾースト、インテークと、バルブタイミングを調整します。
バルタイ調整後、ピックアップコイルを取り付け点火時期を調整します。
エンジン組み立て完了です。
キャブは先日の走行の結果から、メインジェットを変更しておきます。
復元完了です。来週の筑波走行でテストの予定です。