キャブセッティングのご依頼に端んを発し、ステムベアリングの損傷とエンジン異音が見つかったのでそちらを先に修復してから行うこととなりました。
足周り一式は、FZR1000の物に変更されています。ステムベアリングは何を使っているかが気になります。
ジャックアップして確認すると、リヤホイールはブレーキの引きずりが多いようです。
蓋を開けて確認すると、パッドがかなり摩耗しています。ローターも段がかなり付くほど摩耗しています。
パッドを外してみると残量は極僅か。パッドもローターも交換時期ですね。
フロントスプロケは、過去に2度空回りのトラブルがあったそうなので先に点検します。
スプロケカバーを外します。
現状は、オフセットスプロケがしっかり付いているようです。セルフロックナットが使われていますが、緩み止めのスプリングがネジにほとんどかかっていないので、ロックワッシャーを併用しているようです。
ロックワッシャーとナットを外します。
スプロケットを外します。オフセットはこの位。
更に奥には1ミリほどのワッシャーが入っています。アウトプットシャフトのスプラインの損傷は、摩耗が多めですが欠けなどは無いようです。
問題のステムを分解します。
フロントローターもかなり摩耗しています。
こちらも段付きがかなり目立つほど。フロントローターも交換時期ですね。
ステムを外します。
ステムもFZR1000のものとのこと。ベアリングの規格を確認します。上下ともステム径はφ30ミリなのでZ系と同じです、Z系のテーパーローラーベアリングが使われているようです。これなら入手は問題無いですね。
ステムは、センター付近で強いクリック感がありました。ベアリングレースを見ると前後方向に深い圧痕があります。過去に大きなガタがあるまま乗っていたのでしょうか。
ベアリングの素性が解ったので、これは交換すれば治るでしょう。