フロントブレーキから時々異音がするので分解点検します。

現状のフロントキャリパーはノーマルです。ホースはステンレスメッシュに変更されています。

マスターは納車時からこのブレンボになっていたとのこと。リザーバータンクはかなり小型ですが社外品でしょうか。

リザーバータンクのキャップを開けると、内部のダイヤフラムは大きく落ち込んでいます。

ダイヤフラムを外すと、ブレーキフルードはかなり少ない量しか入っていません。パッドがかなり摩耗しているのでしょうか。

ブレーキレバーのタッチは柔らかく、強く握るとグリップに届きそうです。

キャリパーを外します。

キャリパー側からでるフルードは、サビのような色になっています。

キャリパーを分解します。

フルードに混じったサビの原因は、やはりピストンのサビのようです。

部品を洗浄し、更に点検します。ピストンのメッキはほとんど無事なので問題無いようです。

シリンダー内を点検します。腐食は出ていますが特に酷くは無いようです。

反対側も同様です。

ピストンシールを外し、溝内の固着物を取り除きます。

再度洗浄し点検し、継続使用OKと判断しました。

シリンダー内はこんな感じです。


消耗品を交換します。

社外品のパッドは裏側にシムがリベット止めされており、平面のピストンにうまくなじまなかったようで、グラグラしていました。

ピストン側のパッド当たり面に、ドリルで突起の逃げを作ります。

キャリパーを復元します。今度はパッドとピストンに隙間が空かなくなりました。これでレバーストロークも減り、剛性感も出るでしょう。

キャリパーを取り付けます。

フルードを入れてエア抜きします。マスター側のブリーダーからも。

左右キャリパーのブリーダーからも。3ヶ所を行ったり来たりしつこくエア抜きします。

柔らかいタッチを改善しようと、レバー比を変更します。

レバー高さも適正にアジャストします。

エア抜きとセットアップ完了です。今度はレバーのストロークは短く剛性感があり、コントロールしやすくなりました。

先日のエンジンオーバーホール後のキャブセッティングの際に、キャブの極低開度でのバラツキが少しあり、セッティングでは消せなかったのでプラグを新品交換してみます。

プラグの取り付けは極力トルクレンチを使います。旧車なのでプラグの脱着は相当な回数行われているので、ネジに負担の掛からないよう注意します。

試運転します。

ブレーキのタッチは十分改善しました。エンジンも全域ストレス無く回るようになりました。スロットル極低開度のコントロール性も問題ありません。
