圧縮比を把握するため、先ずピストントップのボリュームを計測します。その結果、ピストントップは16.93ccとわかりました。

同じく、燃焼室容積を測ります。こちらは40.1ccでした。ヘッドガスケットを1ミリとした場合、計算により圧縮比は11.1:1となることがわかりました。

続いて、バルブとピストンのクリアランスを計測します。ピストンの上に粘土を置いてエンジンを仮組します。

ヘッドを組み付けます。

上死点を割り出します。

プラグホールからピストンまでの深さを計測します。

プラグのリーチと比較します。十分にクリアランスがありますね。

カムを組み付け、1回転クランキングします。

ヘッドを外して粘土のつぶれ具合でクリアランスを確認します。

エキゾースト側はノータッチのようです。インテーク側は粘土が潰れていますね。

潰れている粘土の中央でカットし、断面を計測します。

約1.5ミリクリアランスがあるので、一応大丈夫でしょう。

シリンダーを外します。

これからは本組です。ピストンにリングをセットします。

ピストンを組み付けます。

シリンダーを挿入します。オイルリングがきつくて入らないので一旦外して点検します。

オイルリングのエキスパンダーリングですが、ボアに入らないほど大きいようです。

エキスパンダーリングの長さを少しカットします。

再度、ピストンにセットします。

シリンダーを挿入します。

続いてヘッドの準備です。エンブレで少々白煙が出ていたので、バルブステムシールを交換しておきます。

現状は赤いバイトン製のシールです。特に大きなダメージは無いようです。

燃焼室も点検します。

2番の燃焼室のスキッシュには、ノッキングで溶けた痕が少しあります。よく筑波の1ヘア立ち上がりで軽いノッキングが出ていましたが、そのダメージが蓄積したのかもしれません。ボアのビード部分は無事なのでこのまま継続使用します。

今回の交換用ステムシールも、バイトン製を使用します。

新しいステムシールを取り付けます。

バルブを組み付けます。

リフターをセットします。

今回使用するシリンダーがGPZ1100用なので、ヘッドガスケットはGPZ1100純正のメタル製を使います。厚みは約0.9ミリです。

ヘッドガスケットをセットします。

ヘッドを組み付けます。

カムを組み付け、テンショナーを取り付けます。

バルブタイミングを調整します。

車体を復元し、エンジンの仕様変更は完了しました。明日は朝からエンジンの慣らし運転です。
