ピストンを仕様変更するので、エンジン腰上を分解します。

次に使用するピストンは、アメリカMTC社製の高圧縮タイプ。ずいぶんと前にマニアの方がZ1000S1仕様として特注されたものを分けていただきました。

ボアはφ73ミリなので、S1よりもビッグボアです。

裏側はこんな感じ。

外装とマフラーを外します。

ヘッドカバーを外します。現在のピストンとカムの仕様は、3年前から使用しているもので、途中、何回か腰上は分解整備しています。ヘッドやその他の主要パーツは20年来、修理しながら使用しているものです。

分解前にバルブクリアランスを計測します。特に異常ありません。

カムホルダーのトルクも確認します。今のところ大丈夫です。

カムを外します。

現在のカムは、WEBの#109で、リフトがインテーク、エキゾーストとも10.6ミリです。

ヘッドを外します。

エンブレ時に少し白煙が出るので、バルブステムシールは要交換でしょう。

燃焼室はこんな感じ。

ピストンはワイセコのφ73ミリ、圧縮はカタログ値で10.25:1のポピュラーなタイプです。リセスにはバルブスタンプが少しあります。

シリンダーを外します。

ピストンピンを外します。固い場合はプーラーで抜き取ります。

2番ピストンは、左のピストンピンが削れていますね。スナップリングが外れたようです。

2番のシリンダーはピストンピンが当たって削れています。

クランクを回してみると、少し引っかかりを感じるので、念のため腰下も分解点検することに。

エンジンを下ろします。

カバー類を外します。クラッチとミッションはGPZ1100純正を使用しています。

ジェネレーターローターも外します。使用しているのは薄型タイプです。

カバー類を外したら反転します。

オイルパンを外し、異物がないか確認します。

不審な金属片がありました。

オイルストレーナにも。

ギヤ類は破損は無いようです。この時点でクランクはスムーズに回るようになりました。

クランクを外して点検します。点検棒はスルリと通ります。このクランクはGPZ1100用で、コンロッド小端部にブッシュを入れてφ17ミリに小径化したものを中古で入手して使用しています。

振れはやや大きめで0.15ミリありました。ベアリングなどは全て正常のようです。

初めまして、何時も楽しみ拝見してます、何か凄そうな形状のピストンですね、軽そうに見えますが装着後が楽しみです。
スナップリングの脱落の原因は何ですかね、珍しいですね。
ブログをご覧いただきありがとうございます。Z系やJ系ではワイセコなどの圧縮比10対1程度のハイコンプピストンがポピュラーですが、11対1以上のピストンも面白いので機会があれば乗ってみてください。スナップリングの脱落は、今回の原因は不明ですが、過去にはいくつも事例を目にすることはありました。いろいろな原因があると思います。