クラックのようなキズがあるので、補強を切開して点検します。
パイプに届かない程度サンダーで切り込みを入れます。
タガネで叩いて持ち上げます。
切り取ったところから内部が見えてきました。
腐食によりパイプの肉がかなりえぐられています。
赤い色は、クラックを発見する時に使うカラーチェックの浸透液でしょうか。
深いところは1ミリほどえぐれています。
他にも欠陥がないかどうか、塗装を剥離して点検します。
塗装を剥離すると、その下には数十か所のパテ埋めが見られました。
一通り剥がしたら水洗いします。
大まかに塗装を剥離した状態がこちら。
全体にわたってキズや凹みがパテ埋めで修正されていました。
切開したところをよくみてみます。
腐食は補強で隠れていたところに集中しています。
他にも、茶色く変色しているのは、溶接熱でアルマイトが変色した痕です。
こちらにも溶接補修の痕が。
腐食のあったところは、取付状態だと補強の中に水が溜まる構造です。
水分で腐食が極端に進行したのかもしれません。
サス受けの内側には、溶接で溶けたような痕があります。
おそらく、溶接のアースをここからとった際に、スパークして溶けた痕だと思われます。
アルマイトが残っているので導通が悪かったのでしょう。
アルマイトは電気を通しません。
切開したところは、溶接盛りして修正します。
先ずは切断面を整えます。
溶接で盛ります。
研磨します。
ドレンボルトの座面の一部はかなり狭くなっています。
リークするといけないので修正します。
こちらも溶接で盛ります。
平面に研磨します。
オイルストーンで面出しします。
最後にタップでネジ山を修正します。
三角補強は水抜きが無いので、ドリルで水抜き穴を追加します。
切開したところはビードを溶接で延長し、滑らかに研磨します。
右側のサス受けは内幅が狭いので、20ミリのカラーを圧入して修正します。
修正完了です。
サス受けの後端には、エキセン締め付けボルトのワイヤリング用の穴を開けておきます。
反対側も同様に。
これで、スイングアームの修正は完了です。
レースユースにも十分耐えてくれるでしょう。
この後サンドブラストして表面を慣らし、シャンパンゴールドにアルマイトする予定です。