メインハーネス交換など、電装系リフレッシュと全体点検のご依頼です。
前回は時間が無かったので車検だけでしたが、今回は全体的に点検します。先ずは、ストリップにしてメインハーネスを外していきます。
スプロケカバーも外します。
ジェネレーターハーネスのギボシはかなり腐食しています。抵抗が増えて発電量もかなり落ちていたのではないでしょうか。
メインハーネスのメインアース線も、ギボシがかなり腐食しています。ここが接触不良だと、全電気系統に問題が出ます。
既存のメインハーネスを隙間から抜いていきます。
メインハーネスが外れました。おそらく新車時からの物でしょう。今回の交換はいいタイミングでした。
交換用のメインハーネスはこちら。オーナーさんお持ち込みの社外品Z1000-J1用です。
前側はタンクとフレームの隙間を通すので、被覆を剥がしてほどいていきます。
3分割してハーネステープで閉じます。
新しいメインハーネスをフレームに通します。
クラッチレバーのところにある、スターターロックアウトスイッチですが、抜いて使っていなかったのでこの際きれいに撤去します。
左ハンドルスイッチの接続は、スターターロックアウトスイッチのキャンセル用改造のみであとはそのまま。
メーター裏に移設してあるホーンのハーネスは改造して延長してありました。
今度は整備性がいいように、4極カプラーで脱着可能にします。
右ハンドルスイッチの接続は、カプラーが異なるのでメインハーネス側に合わせて改造します。
フロントブレーキスイッチの回路は、ヘッドライトケース内から延長して接続します。
ヘッドライトリレーのカプラーは、信号線側を小型のカプラーに変更しコンパクト化します。
点火系はウオタニSP2にするので交換します。
SP2のピックアップコイルを取り付け、基本の10°にセットします。
既存のイグナイターなどを外すので、エアクリーナーBOXまで外して作業します。
右がリザーブライティングデバイス、左がイグナイターです。
2つのユニットを外します。
追加のアーシングは不要なので、全て外します。こちらはヘッドのエンジン温センサーのネジに接続されていたもの。
腐食していたジェネレーターハーネスのギボシは新品交換します。
キャブホルダーのトルクも確認。かなり緩かったので全て増し締めします。
全体点検の一環として、スイングアームピボットも点検します。ホイールとリヤショックを外して動かすと、スイングアームはスムーズに動きます。
念のため、外してピボット周りも点検します。
スリーブを外します。
左のピボットベアリングは指で回らないほど固いので、のぞいてみるとゲージが1ヶ所壊れています。
外側を見ると1ヶ所凹んでいます。これはフロントスプロケットの歯が刺さった痕でしょう。過去にフロントスプロケが走行中に脱落した痕跡です。
フレーム側も左右パイプのチェーンラインのところが大きく凹んでいます。ここに脱落したスプロケがチェーンごと挟まるのです。
ピボットベアリングをプレスで抜きます。
ベアリングが抜けました。
左のベアリングは、アウターレースに大きな窪みがあり、プレスで抜いたために裂けています。
スイングアーム側は、内部に大きな突起ができています。これがベアリングを破損させたのです。
スイングアームは交換することになり、ストックからいいものを選び出します。
使用することになったのはこちら。Z1100-B2用で、中間部分の内側に純正で補強パッチが追加されているものです。
つづく。