あまりメンテナンスせずに乗り続けていたとのことで、今回はメインハーネスの交換から全体点検まですることになりました。
ジャッキアップするとフロントブレーキホースが短いことが発覚。ブレーキ交換の際、ホース長さの選定に問題があったようです。スピードメーターケーブルもキャリパーをかわす長さにしたいとのこと。両方共交換することに。
フォークのダストシールが劣化していることも分かり、フォークまで外すことになりました。
フォークのオイルシールは交換したとのことですが、ダストシールは継続使用していたもよう。片側はかなりクラックが入っています。
外してついでに少しサビが出てきたフォークアウターをポリッシュすることになりました。
一部にクリア塗装が残っていたので、リムーバーで剥離します。
20分ほど軽くポリッシュして完成です。
フロント周りを復元します。
続いてブレーキホースを製作します。
今回はマスターから2本引きにするので、先ずマスター側のバンジョーにホースを組みます。
反対側のキャリパー側でホースの長さを決めてカットします。
反対側のバンジョーも組み付けて、フロントブレーキホースの完成です。
キャリパーのブリーザーは、エア抜きの整備性を考えれば上に設置したいところですが、今回はあえてホースが短くなる方を優先しています。よりシンプルに見えるように。
ハンドルの角度もやや寝ているので修正します。
ハンドルの立ち上がりとフォークが平行になるのがノーマルセットです。これはカッコよく見える重要なポイントです。その後、レバーの向きも微調整します。
ブリーザーを下にしたので、エア抜きはキャリパーを外した状態で行います。
キャリパーの裏側は、スポークの逃げで斜めに削ってありますが、どうやら右側はかなりタイトなようです。クリアランスは0.5ミリほど。
キャリパーとサポートの間に0.5ミリのシムを上下に入れてオフセットさせます。
これで左右とも1ミリほどクリアランスが確保できました。
リヤブレーキもチェック。ペダルの踏み代が大きいとのことでエア抜きしてみますが特に変化無し。ピストン径の少し小さいマスターが原因かもしれません。
続いてメインハーネスの交換です。既存のハーネスを外していきます。コネクター内の端子はかなり腐食しているところもあります。
新車時のメインハーネスを外します。今回交換すれば、もう一生物でしょう。
Z1000Mk2用のハーネスを使用するので、Z1系のセンターハーネスも不要となります。
こちらもかなり劣化していたもよう。
ジェネレータハーネスもレイアウトが変わるので途中で切断します。
クラッチレリーズに気になる点が。アームは中央で溶接で継いであり、弱そうです。ケーブル受けの軸は摩耗してかなり長穴になっています。レリーズは交換をお勧めします。
ガタの様子はこちら。このまま使用すると、最後にはちぎれてしまいます。
左のハンドルスイッチも古いので交換します。ハンドル内蔵のハーネスごと外します。
交換用はこちら。W650の純正品です。ウインカーがプッシュキャンセルなので便利です。
位置決めの突起は不自由なので削除します。
取り付けるとこんな感じ。純正品の信頼性と操作感はいいものです。
続いて今回の最も大きな仕事となるZ1000特有のマフラーステーを改造するので、リヤ周りを分解します。
バッテリーケースは希硫酸でだいぶ腐食が進行していますね。
裏側もだいぶサビが進行しています。
スイングアームまで外します。
改造するのはこちらのマフラーステーです。これを削除して、Mk2から切り取った純正ステーに交換します。