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Z1000Mk2 T.H様 カム周りの点検

エンジンの調子はいいそうですが、
入手前の履歴が不明なので、ヘッドカバーを外してカム周りを点検します。



ヘッドカバーを外します。カム山は綺麗です。



カムホルダーの締め付けトルクを確認します。
1ヶ所は緩んでいましたが、全て規定トルクは掛かるのでネジ山は大丈夫です。



レンチで前後にクランキングしてみると、
回転方向を変えた時にカムチェーンのたるみを感じます。
Mk2はオートテンショナーなので、たるみがあるのは不具合の印です。



トップアイドラーは、軸受周りのゴムの剥離も無く問題ありません。
カムチェーンテンショナーを外して点検します。



プランジャーが戻るようなことも無く、機能は問題無いようです。



現状の伸び切り状態で、プランジャーの突き出しは約31ミリです。



伸びきった状態でシリンダーに戻してみると、奥まで入ってしまいます。
テンショナーの最大ストロークを超えて、カムチェーンがたるんでいたようです。



トップアイドラーを外します。



カムも外すので、タコギヤを外します。
オイル漏れしていましたが、Oリングのヘタリが原因のようです。



カムホルダーを外します。



ホルダー側のカムメタルは、特に問題ありません。



カムを外してカムチェーントンネル内を覗けるようにします。



シリンダー上部前方にある、アイドラーとカムチェーンガイドを点検します。



アイドラーは特にぐらつきも無く問題無いようです。
その下にあるカムチェーンガイドは大きく摩耗しています。



比較用に新品のガイドはこちら。カムチェーンの溝は無く平らです。



テンショナー側のアイドラーもガタはありません。
ガイドローラーは摩耗していますが、それほど酷くはありません。



カムチェーンの過度のたるみの原因は、
ガイドの摩耗とカムチェーン自体の伸びが原因のようです。
バルタイが若干遅れているのもそれを裏付けます。
今回の対処としては、ストロークの若干長いPMC製のテンショナーを使います。
近い将来のエンジンのオーバーホール際は、カムチェーン交換は必須となりますね。

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