エンジンの整備履歴が不明なので、カムチェーン周りを点検します。クランクを正転逆転してみると、カムチェーンテンショナーに遊びがあるのが解ります。オートテンショナーが付いていますがプランジャーが戻ってしまうようです。
ヘッドカバーを外します。カムチェーンが干渉したような跡があります。
エキゾースト側の天井部分にこのようなキズが。カムチェーンのプレートで付いたキズのようです。
現状のカムチェーンは、1周してみても破損個所はありません。カムチェーンはジョイントが使われているので、過去にカムチェーンの破損で交換したのかもしれません。
バルタイは正常です。
トップアイドラーはかなりグラグラします。
バルブクリアランスを計測します。エキゾースト側はかなり広めで規定値を超えています。
カムホルダーの締め付けトルクは大丈夫です。
先ほどの、カムチェーンテンショナーが戻る時をとらえた動画がこちら。正転から逆転に転じた時に、プランジャーが戻るのでカムチェーンがたるみます。
テンショナーを外します。
手で押すと一定量は戻ってしまいます。こちらはリフレッシュの必要がありますね。
トップアイドラーを外します。
アイドラーの軸にあるゴムダンパーとスプロケットが剥離しています。これも要交換です。
ゴムダンパーの剥離がわかる動画はこちら。
カムメタルはこんな感じ。エキゾースト側の焼けはやや多めです。
カムを外します。
内部のアイドラーを点検すると、フロント側もゴムダンパーが完全に剥離してグラグラしています。
フロントアイドラーがグラグラする様子の動画はこちら。
シリンダーデッキ面のアイドラーが要交換なので、腰上分解修理は必須となりました。