信頼性向上のため、全体的に点検整備します。
先ずは、ご依頼のあったメインハーネス交換から。
ステダンが付いていますが、ハンドル切れ角に対応しておらず、取り付け位置もフォークストロークと干渉するので取り外します。基本的にステダンはセルフステアを阻害し、ハンドリングを悪くするので取り付けない方がいいです。現行車のような電子制御ならいいのですが。
フロントをジャッキアップしたところ、フロントのブレーキホースが突っ張っています。かなり短いようなので、ホースの交換が必要です。
暫定で、タイダウンを使ってフォークを縮めておきます。
現状のメインハーネスは社外品なので、過去に交換されていますが、いたるところ改造されており、現状では故障探求が非常にやりづらい状態になっています。その他のハーネスには古い箇所も残っており、今回リフレッシュするのがやはり妥当でしょう。
ジェネレーターからの大電流が通るカプラーも、腐食が進んでいます。
ヘッドライトケースを外し、メインハーネスを外していきます。
コイル周りも改造多数。ハンドルスイッチとの接続も複雑です。これらもシンプルにまとめ直しましょう。
次に使うメインハーネスはZ1000Mk2用なので、この辺りの中間ハーネスも不要になります。
バッテリーのマイナスケーブルの先は、クランクケースではなくバッテリーブラケットに接続されています。
クランクケースのアース接続のネジ穴は、ボルトが折れ込んでいました。ここも修正したいですね。
このように、いたるところでアースがとられていますが、過剰なところも見受けられるので、もっとシンプルに集約しようと思います。
メインハーネスが外れました。
シフトリンケージは、ロッドエンドにガタがあるので要交換です。
スプロケカバーを外します。前側のボルトは純正より短いボルトでした。クランクケース側の雌ネジを痛めるので要交換です。
カバーを外します。レリーズのリターンスプリングが欠品していますね。
先ほどの短いボルトの部分、ケース側はネジ山を修正した痕があり、入口付近の雌ネジが無くなっています。
スターターモーターの下側はかなりオイリーです。スターターのOリングが劣化しているのでしょう。
オイル取出しかテンショナー付近もだいぶオイル漏れしています。
ドライブチェーンは520サイズですね。
リヤスプロケはアルミ製を使っているので、やはりかなり摩耗が進んでいます。
チェーンを引っ張ると持ち上がるほどです。
通常は、噛みあったチェーンとスプロケは動きませんが、こちらはチェーンが前後にかなり動きます。
新品のスプロケと比較します。スプロケの歯がかなり狭くなっているのが解ります。
Z系などの重量車で520サイズにした場合、アルミのリヤスプロケでは耐久性不足です。ストリートの場合、520にするならリヤスプロケはスチール製が必須です。