分解したエンジン部品を点検します。
クランクの曲がりを点検。振れは0.01ミリと極少でほぼ真っ直ぐです。
点検棒もストレスなくスルッと通ります。他にベアリング類もスムーズに回るので問題無いでしょう。
ミッションは4速がギヤ抜けすることがあるそうです。4速をつかさどるのはこちらのインプットシャフト側のギヤ二つです。
このドグが4速用の物。角が比較的摩耗していますね。
特に酷いレベルではありませんが、このギヤ2個を交換しましょう。
シフトドラムも点検します。マジックで書いた数字のところが各ギヤ段数のカム山です。
4速のカム山の拡大です。エッジもしっかり残っているので特に問題無いでしょう。
4速5速用のシフトフォークです。ガイドピンの摩耗はどうでしょう。
編摩耗はありますがまだ軽症の段階です。念のためこちら交換しておきます。
新品が手に入らないミッション部品は、中古の良品をなるべく沢山ストックするようにしています。
今回はこの中からMk2用ミッションをドナーにします。
アウトプットシャフトもスプラインが摩耗し、一部欠けているので交換します。左がZ1、右がMk2です。
外したZ1の物は、オイル通路の穴の部分でスプラインが欠けています。スプロケットとの掛かりが浅いZ1系では、このようにスプライン自体の摩耗も進行し易いです。
半面、Mk2になるとスプラインが長くなるので耐久性も上がます。今回はこちらに変更します。
インプットシャフトから必要な3速4速ギヤを取り出します。
外した程度のいいギヤと組み替えます。
元のギヤが赤印の方。ドグの摩耗が大きいのがわかります。手前が交換用の程度のいいものです。
車体を見て、また不具合を発見。フロントブレーキホースが短くて突っ張っています。
エンジンを下ろして車重が抜けたため発覚しました。初めからホースが短いようです。
こちらもホースを交換することに。
応急処置として、タイダウンでフォークを縮めておきます。
こちらにも不具合が。キャリパーとスポークが干渉しているようです。
僅かですがスポークが干渉して削れています。現在は当たっていないもよう。
現状でもスペーサーでキャリパーはオフセットさせているみたいですが、あともう少し足しておきましょう。
ローターにもスペーサーは入っており、フォーク裏にあとわずかなのでキャリパーで逃げるしかないですね。
なんとか修理の目途が立ちました。