今回は、フロントブレーキのカスタムと、エンジンからのオイル漏れ修理のご依頼です。
先ずは、ミッションカバー周りのオイル漏れ修理から。
現状は、停めておくと直ぐに床にオイルが垂れてくる状態です。
スプロケカバーのボルトを外しますが、前側の長いボルトは純正より短いです。画像にある分だけしかねじ込み代がありません。
長さを測ると120ミリ、純正は125ミリなので5ミリ短いです。ここはクランクケースの雌ネジを労わりたいので、必ず純正長さのボルトを使用してください。
スプロケカバーを外します。
スプロケットを外します。ミッションカバーは耳の部分が折れており、シフトシャフトのオイルシールからのオイル漏れが酷い状態です。
ミッションカバーを外すので車体を右に傾けます。
フロントブレーキレバーを輪ゴムで止めておくと、より安定します。
ミッションカバーを外します。
アウトプットシャフトのカラーも摩耗しているので交換します。
奥にあるOリングも交換します。
ガスケットを剥がし、オイルストーンで面出しします。
取り付け面を脱脂します。
手前がお持ち込みの交換用ミッションカバーです。オイルシールは新品交換します。
新しいオイルシールを圧入します。
ミッションカバーを取り付けます。
スプロケ周りを復元します。
スプロケナットは規定トルクより高い13kg・mで締め付けておきます。
ロックワッシャーをしっかり折り曲げます。
続いてもう1ヶ所あるオイル漏れ箇所を点検します。
エンジンマウントの奥のブライドプラグから漏れているとのこと。
ボルトを外すとかなりオイルが付着していますね。
よく見ると、ブラインドプラグがかなり奥に押し込まれているようです。
通常はケースの面と同じ高さですが、こちらは5ミリほど中にないっています。
長いエンジンマウントボルトを使ってしまい、押し込んでしまったのでしょうか。
内部に脱落すると厄介ですね。
周辺を脱脂します。
暫定の処置として、液体ガスケットで塞ぎます。
ブラインドプラグとその穴に液体ガスケットを充填しておきます。これで止まればいいのですが。
スプロケカバーを取り付けます。ボルトは純正長さの125ミリを使います。
ねじ込み代はこの位。
続いて、ブレーキペダル周りのモディファイです。
オーナーさんの好みに合わせ、ブレーキペダルの短縮と高さをもう少し下げます。
ペダル高さのお好みがかなり低いそうで、もう少し調整代が欲しいとのこと。
プッシュロッドのアジャスターを外します。
ペダルも外します。
ペダルとアジャスターをそれぞれ少しカットして切り詰めます。
カットした部分に新しくナットを溶接し、塗装します。
続いて、フロント周り。
ローター、キャリパー交換と、キャリパー位置はお好みの前置きに変更します。
ホイールを外します。
ローターを外します。
かなり摩耗しているので、ニューキャリパーの性能を引き出すために同時交換します。
新しいローターはサンスターのトラッドタイプです。
キャリパーを前置きにするので、フォークを抜きます。
フォークを左右入れ替えて取り付けます。
フロント周りを復元します。
キャリパーとスポークなどのクリアランスを確認します。
塗装が乾いたので、ブレーキペダルを取り付けます。
これで更に一体感が増すでしょう。