ヘッドとシリンダー間のOリングからオイル漏れしているようなので修理します。
まだ軽症ですが、点検を兼ねて腰上を分解します。
ヘッドカバー、カムと外します。
ヘッドを外します。ボアはノーマルのΦ72.5ミリでした。
シリンダーを外します。ピストンは純正でした。
カムチェーントンネルのOリング周辺にオイルの付着が多いです。
Oリングはヘタって潰れています。
ヘッドガスケットの厚さを考えると、これぐらいで漏れが始まります。
先日のZ1R2の時は完全に硬化していましたが、こちらはこれでもまだ柔軟性が残っています。
カムチェーンガイドは、テンショナーのプランジャーに押される部分がかなり変形しています。
コンロッドのベアリングはガタなくスムーズです。
シリンダースタッドの根元には砂などが堆積します。
腰上のみの作業の場合は、クランクケース内に落とさないよう、予め掃除機などで吸い取り除去します。
スタッド根元が綺麗になりました。この後ガスケットを剥がします。
ガスケットを剥がしたら、オイルストーンで面の汚れを取り仕上げます。
仕上げ後はこんな感じです。
ノーマルピストンは、走行距離の割にカーボンは少なめです。
カーボンを落とし洗浄します。ピストンリングは継続使用です。
洗浄したピストンを組み込みます。
シリンダーは深いスカッフも無く、こちらも継続します。
ガスケットはかなり硬化しており、時代を感じます。
母材を傷つけないように慎重にガスケットを剥がすのには、ゆうに1時間以上かかる作業となります。
仕上げにオイルストーンで汚れを落とし、面を整えます。
フレックスホーンで軽くホーニングしておきます。
シリンダーが完成しました。
今回、エンジン回りで使う主な消耗部品はこちらです。
仕上げたシリンダーを組み込みます。
ガスケットやOリングなどをセットします。
続いてヘッドの作業です。
バルブのカーボンも比較的少なめです。
燃焼室はこんな感じ。カーボンはかなり堆積しています。
リムーバーを付けてカーボンを落とします。
ヘッドは加工されていたので、エンジン分解は初めてではありませんでした。
INT、EXHポートとも、シートリングの段付きが軽く修正されていました。
面研やシートカットもないほぼ無加工のヘッドとシリンダーなので、
今後のチューニング素材としても十分活躍できるでしょう。