Z1100B2 M.H様 エンジン腰上分解

ヘッドとシリンダー間のOリングからオイル漏れしているようなので修理します。

 

まだ軽症ですが、点検を兼ねて腰上を分解します。

 

ヘッドカバー、カムと外します。

 

ヘッドを外します。ボアはノーマルのΦ72.5ミリでした。

 

シリンダーを外します。ピストンは純正でした。

 

カムチェーントンネルのOリング周辺にオイルの付着が多いです。

 

Oリングはヘタって潰れています。

ヘッドガスケットの厚さを考えると、これぐらいで漏れが始まります。

 

先日のZ1R2の時は完全に硬化していましたが、こちらはこれでもまだ柔軟性が残っています。

 

カムチェーンガイドは、テンショナーのプランジャーに押される部分がかなり変形しています。

 

コンロッドのベアリングはガタなくスムーズです。

 

シリンダースタッドの根元には砂などが堆積します。

腰上のみの作業の場合は、クランクケース内に落とさないよう、予め掃除機などで吸い取り除去します。

 

スタッド根元が綺麗になりました。この後ガスケットを剥がします。

 

ガスケットを剥がしたら、オイルストーンで面の汚れを取り仕上げます。

 

仕上げ後はこんな感じです。

 

ノーマルピストンは、走行距離の割にカーボンは少なめです。

 

カーボンを落とし洗浄します。ピストンリングは継続使用です。

 

洗浄したピストンを組み込みます。

 

シリンダーは深いスカッフも無く、こちらも継続します。

 

ガスケットはかなり硬化しており、時代を感じます。

 

母材を傷つけないように慎重にガスケットを剥がすのには、ゆうに1時間以上かかる作業となります。

仕上げにオイルストーンで汚れを落とし、面を整えます。

 

フレックスホーンで軽くホーニングしておきます。

 

シリンダーが完成しました。

 

今回、エンジン回りで使う主な消耗部品はこちらです。

 

仕上げたシリンダーを組み込みます。

 

ガスケットやOリングなどをセットします。

 

続いてヘッドの作業です。

 

バルブのカーボンも比較的少なめです。

 

燃焼室はこんな感じ。カーボンはかなり堆積しています。

 

リムーバーを付けてカーボンを落とします。

 

ヘッドは加工されていたので、エンジン分解は初めてではありませんでした。

 

INT、EXHポートとも、シートリングの段付きが軽く修正されていました。

 

面研やシートカットもないほぼ無加工のヘッドとシリンダーなので、

今後のチューニング素材としても十分活躍できるでしょう。