エンジン異音の調査をします。
1速でフル加速すると、「ガツン」という危険な感じの衝撃があります。
CCDカメラでチェーンとスプロケット周りを撮影しながら走行しましたが、衝撃の瞬間にチェーンとスプロケには異常は確認できませんでした。
フロントカウルも外します。
前回の整備で腐食が気になっていた、ヘッドライト光軸調整用のスプリングを新品交換します。
ステンレスのボタンボルトとスプリングを使い、防錆力をアップします。
前回カウルにサービスホールも開けたので、光軸調整は格段にやり易くなりました。
オイルパンを外して下からミッション周りを確認します。
先ずはオイルクーラーコアを外します。
マフラーを外します。
マフラーはモトマーチン純正。
バードゲージタイプのフレームは、脱着式アンダーフレームを持つ構造です。
アンダーフレームを外します。
エンジンオイルを抜きます。
エンジンオイルに異物は無いようです。
オイルパンを外します。オイルパンにも異物は特にありません。
車体を傾けます。
オイルポンプも異常無し。下からミッション周りを点検しますが、特に異常は見られません。
ここまでで異常が発見できないので、エンジンを下ろすことに。
エンジンは下から抜くので、車体をスタンドでなるべく高く持ち上げます。
ドライブスプロケは前期のボルト止めです。ワイヤリングを外し、ボルトを外します。ネジロック剤はわずかで、スプロケの締結には不安が残るボルトです。
スプロケを取ると、奥にはスペーサーがありますが、オイルシールのリップにスペーサーが掛かっているのでリップが傷んでいるでしょう。
エンジンをジャッキで支えます。
スターターケーブルを外します。素線がほつれているので、このケーブルは交換しましょう。
エンジンマウントボルトを抜きます。
エンジンを強く後傾させてジャッキを下げます。
エンジンが完全に下りたので、水平にして横から引き出します。
エンジン下ろし完了です。
エンジンを反転し、ギヤを1速から5速まで操作してみますが特に問題ありません。
クランクケースを分離するので、エンジンカバーを外します。
アウトプットシャフトはこんな感じ。オイルシールの圧入が浅いですね。
3ミリほどのスペーサーでした。
スターターモーターのOリングには液体ガスケットが塗ってあります。その場しのぎのオイル漏れ対策ですね。
クランクケースを分離します。ケースの分解は初めてのようです。
内部はスラッジなど無く、きれいな状態です。
ミッションを分解点検します。
サークリップの引っかかる部分が少し欠けていますが、破片はありません。
分解しましたが、部品の欠品や組み間違いもありません。
アウトプットシャフト側も特に異常無し。
シフトドラムを外します。
ドラムは少し摩耗しています。
山の肩の部分が両側とも摩耗しているところがあり、今後、頻繁なギヤ抜けの原因となるでしょう。
1速での衝撃の原因は特定できませんでしたが、シフトドラムとアウトプットシャフトはいい機会なので新品交換します。
新品のシフトドラムはこんな感じです。
きれいにエッジが出ており、気持ちいいシフトフィールが得られます。
アウトプットシャフトは手前の後期型に交換。スプロケがナット止めなので、オフセットスプロケでも強力に締結できます。
